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【ショップ便り】今年の夏はニホンカワウソを深く学んで、捜索隊員になろう‼️ー四国水族館特別展「ニホンカワウソ大捜索隊司令部」の見所紹介ー

  • 2 時間前
  • 読了時間: 14分

こんにちは。広報担当の大関です。

今回は夏の旅行先にぜひ訪ねていただきたい、四国水族館をご紹介します。


2020年開業の四国水族館は、四国の入り口である瀬戸大橋のたもとに建つ水族館です。当社ではオープン当初から、1階ミュージアムショップと2階特別展示室併設のショップを運営させていただいています。2階特別展示室はこれまでは四国に伝わる龍宮伝説をテーマとした展示を行ってきましたが、2026年3月20日より、特別展「ニホンカワウソ大捜索隊司令部」がスタートしました。


「ニホンカワウソ大捜索隊司令部」イントロガイダンス


四国は、日本で最後のニホンカワウソの目撃例が記録されている、ニホンカワウソゆかりの場所です。この、「なんだかおもしろそう感」満載の名称に惹かれて、早速展示を見に行ってきました! (取材:2026年5月)



どうしてニホンカワウソにスポットを当てた展示に?


今回の展示を企画した、営業企画課の清水さんに、展示の見所をお聞きしました。


ー今回、ニホンカワウソをテーマにした展示を始めたきっかけはなんですか?

ニホンカワウソに着目するのは今回が初めてというわけではなくて、オープン当初から展示のひとつに「川獺(カワウソ)がいた景」を設け、近縁種であるコツメカワウソを展示してきました。その展示によって、かつて四国の水辺にはたくさんのニホンカワウソが生息していたこと、そして水辺環境の保全の重要性を来館者に訴えてきました。


コツメカワウソのナズナが暮らす「川獺がいた景」


身近な生きものであったはずのニホンカワウソは、1979年に高知県須崎市での目撃を最後に、確実に生息を伝える情報が途絶え、2012年に環境省は「絶滅」を宣言しました。一方で、調査が十分ではなく「まだ生きているかも」と期待を抱かせる情報も少なくないため、愛媛県、高知県、徳島県のレッドリストでは絶滅危惧種のまま留めおかれています。


ニホンカワウソをめぐる四国内での状況の変化が記された年表


こうした状況の中、最後の目撃情報からまもなく50年が経とうとしています。この節目を前に、改めてニホンカワウソに焦点を当て、私たちが自然とどう関わっていくべきか、考えるきっかけ作りを行いたいと考え、企画しました。


ーニホンカワウソの最後の目撃地が高知であることや、絶滅したとされていることを知らない人も多いのではないかと思います。

そうですね。まず、ニホンカワウソについて知らないと探せないですよね。ニホンカワウソがどんな生きものなのかを知ってもらい、どういう経緯をたどって絶滅とされたのか。本当にもういないのだろうか? もしかしたらいるかもしれないという可能性などを提示することで、「身近な自然」を見るという視点を得ていただけたらと思っています。


世界に生息するカワウソについても学べます


「大捜索隊司令部」というと、一見ふざけてみえるかもしれませんが、捜索隊員になってもらうことで、四国旅の間はもちろん、帰ってからも痕跡を探して足元の小さな自然に注意を払ってもらえると思うんです。そうした活動の中で、たとえカワウソは見つからなくても様々な気づきや発見、ドキドキやワクワクがあったら、行動も変わってくるんじゃないかなと考えています。「家のそばにもニホンカワウソがいるかもしれない」と思って、身近な自然に親しむこと。それが環境保全を含め、自然との向き合い方を考える第一歩になることだと考えています。


ー「身近な自然」を見ることはニホンカワウソを探すことに限ったことではなく、自然と向き合う姿勢でもあるんですね。大捜索隊司令部という、ユニークなテーマはどのようにして決まったのですか?

アカデミックな解説は大切ですが、カタイだけの展示は水族館には合わないなと最初から思っていたんです。バランス良くエンタメ要素があって、小さなお子様にも興味を持ってもらえる展示、というところで議論を重ねた結果、「大捜索隊司令部」が一番しっくりきました。

司令部らしい空間演出を行い、お客様自身が捜索隊員となって学んでいただく楽しさを取り入れています。捜索隊員になったからには、日常生活でも「ニホンカワウソを探すこと」「身近な自然を見ること」を忘れない、という持続効果も期待できると思っています。


ー捜索隊員の使命を忘れるべからず、ですね。四国水族館は瀬戸大橋のすぐそばという立地から、いわば四国の入り口。ニホンカワウソをテーマにした旅への誘いといった側面もあるのでしょうか?

四国は本当に魅力の多い場所です。その中で、玄関口に位置する四国水族館には「当館が四国各地を紹介し、お客様に足を運んでもらう」という役割があると考えています。四国の様々な水景をテーマにしているのも、展示をきっかけに実際にその景色を見に行ってみよう!という動機になることを願ってのことです。


「四国カワウソ探索マップ」


「ニホンカワウソ大捜索隊司令部」ではニホンカワウソにゆかりのある場所をマーキングした四国のマップを掲示し、カワウソを切り口に四国を巡れるよう紹介しています。


ー特に愛媛県や高知県には、思っていたよりも多くのゆかりの場所があり驚きました。大捜索隊司令部のキャッチコピー『「記録の終わり」は、「物語の終わり」ではない』もとても印象的で、はっ!とさせられました。

四国の中でも愛媛県と高知県は最後まで目撃情報が残されている場所です。

愛媛県には総合科学博物館があり、ニホンカワウソに関する県内の情報が集約されています。しかし高知県は情報が散逸してしまっているのが現状です。どの自治体でも苦しい財政状況のため、新しい展示施設設立を目指すのが難しいなか、民間の水族館である当館が四国全体のニホンカワウソの情報を取りまとめて発信役になる、という大義を自らに課した展示でもあります。今回の特別展の開催期間は最低でも5年を予定しているのですが、四国各地との連携、ネットワークを確立させるための5年間としたいと考えています。


記録の終わりとなるのかどうか、四国3県の動きが気になります


また、この5年の間には、最後に高知県でニホンカワウソが目撃されてから50年目の2029年が含まれます。これまで絶滅危惧種のまま留めおいてきた四国3県が、これを機に絶滅宣言をするかもしれません。その大きな節目をまたぐ形でこの展示を継続させる目的もあります。もしもそこでニホンカワウソという生物の記録が途絶えてしまったとしても、ニホンカワウソにまつわる物語の終わりでは決して無い、ということを当館から継続して発信し続けることが大切だと考えています。


ー壮大ですね。お話を聞けば聞くほど、5年で終わってしまうのはもったい無い気がします。

展示が終了しても、司令部は水族館として継続するつもりでいます。そのためにネットワークを作り、物語を続けるわけですから、いつ来てもニホンカワウソの情報が手に入る状態にしたいと思います。



こだわりが詰まった展示の見どころを教えてください


「かわいい」「楽しい」だけの展示に終わらない工夫が随所に凝らされた展示を、清水さんにご案内いただきました。


ーガイド役のお景(おきょう)がいることで、展示の意義が最初に提示されるのはとてもわかりやすいですね。

表情豊かに話しかけてくれるガイド役のお景


「はじめに」の導入部に当たるわけですが、ここにお景を起用して語らせました。親しみやすく、わかりやすくしつつも、ニホンカワウソの現状や展示の目的を端的に説明することで、小さなお子様でも興味を持って楽しみながら入り込んでいただけるように工夫しています。それから実物展示も見所のひとつです。


ーニホンカワウソの毛皮と剥製が高知県外に貸し出されるのは初めてなんですよね?

はい。須崎市教育委員会所蔵の毛皮と、大月町教育委員会所蔵の剥製で、いずれも県外での公開は初となります。

毛皮は市役所倉庫からほとんど出たことがなかった秘蔵品で、光による褪色が少なくカワウソ本来の毛色を今に伝える貴重な資料です。紫外線で色素タンパク質が分解されると毛色は茶色から白に変化してしまうため、資料保護のため公開期間を区切って展示します(春休みからG.W.と夏休みの予定)。剥製は大月町内の海岸で発見された個体で、ニホンカワウソの大きさ、爪の鋭さ、顔つきなどがよくわかると思います。毛皮も剥製も現存する実物資料としては一、二を争う状態の良いものと考えております。


ニホンカワウソの剥製。コツメカワウソとの大きさの違いを感じます(大月町教育委員会所蔵)


それから骨格標本は、愛媛県総合科学博物館所蔵の標本のレプリカを展示しています。壊れやすいものなので実物からデジタルデータを取らせていただき、そのデータは博物館に寄贈し、当館では3Dプリンターで出力したものを展示することにしました。各所の貴重な資料ですので取り扱いには十分配慮しています。


骨格標本のレプリカ。水面上に鼻と目だけ出して周囲の様子をうかがえるように、顔が平たくなっています (実物は愛媛県総合科学博物館所蔵)


ー貴重な資料をお借りする上で、交渉や連携でご苦労されたことはありましたか?

高知県須崎市に事務所を置く、認定NPO法人四国自然史科学研究センターの谷地森先生にご協力いただいたのですが、博物館指定施設として「温度、湿度、照度、UV、衝撃」について記録を取って適切に対応することを条件に5年間の長期貸出を実現することができました。毛皮は専用の桐箱を作り、美術梱包用の典具帖紙(てんぐじょうし)を準備して、最大限の注意を払って保管しています。

ー照明を落として、モニターが並んだ「作戦指令室」はワクワクしますね。多くの証言VTRが流れていて見応えがありました。


さまざま証言や記録映像が流れる「作戦指令室」


本展示では映像コーナーを設け、拡張性のある展示にしました。資料映像や目撃情報、専門家の生態に関するお話や、まだニホンカワウソが生き続けているかもしれない可能性についての言及など、さっと見ることもできますが、じっくり見ると多くの気づきを得られるコーナーです。プラットホームとして、今後もニホンカワウソに関する情報を随時更新して発信していくつもりです。


身近にあるものが実はニホンカワウソにまつわるものかもしれないという実例が報告されました


実は、この「ニホンカワウソ大捜索隊司令部」に関する報道を受けて、高知県内で金庫の下敷き(カーペット代わり)になっていたニホンカワウソと思わしき毛皮が見つかり、5月9日の高知新聞に記事が掲載されました。今回の取り組みを受けて、早速情報が集まるという波及効果が出ており、嬉しい出来事でした。


ー電光掲示板に流れていましたね。田舎の祖父母宅を訪ねるとタヌキの剥製やクマの毛皮とか飾ってあったりしたものですが、そういう身近な生き物としてニホンカワウソがいたということでもありますよね。

毛皮と剥製の輸送のニュースを見て、これもニホンカワウソの毛皮なのでは? と気がついたそうです。ほかにももっと見つかるかもしれませんよね。

作戦指令室の隣のトレーニングlaboは、「四国の自然」のなかでニホンカワウソと他の生きものとの違いをどう見極めるかのトレーニング展示です。森や水辺に生きる様々な動物の特性についても気がつくことができると思います。


ニホンカワウソと見間違えやすい生きものとの違いを学ぶことができます


ー足跡の特徴などは、覚えておくと自然探索の際に役立ちそうです。実際に今後、ニホンカワウソの痕跡を見つけた! などの情報が寄せられた場合、なにか調査する予定はあるのでしょうか?

調査そのものは適切な研究機関が中心になって行うことになりますが、「痕跡が見つかった」「調査が始まった」「こんな成果があった」という情報が集まり、発信する役目を大捜索隊司令部としては担いたいと考えています。例えば新しく見つかった資料により、遺伝子分析やCTスキャンなどが行われ、学術的な研究がまた少し進むと思います。そうしたらまた追加情報を発信したいと思っています。


巨大カワウソはあえて可愛くない顔に!?


展示の最後には巨大なニホンカワウソの模型が置かれ、フォトスポットになっています。吹き出しパネルが用意されていて、「ニホンカワウソ大捜索隊司令部」らしい記念写真を撮ることができます。


前足から顔部分だけですが、すごい迫力です!


ーすごいインパクトですね。大きさに加えて、「バーン」って飛び出しています!

カワウソってカワイイっていうイメージがあると思うんですが、個人的には動物園や水族館のある意味では罪であり、我々も考えないといけないことだと思っています。コツメカワウソのかわいさだけがクローズアップされ、ペット需要により密猟などの問題も起きています。カワウソは野生動物であり、愛玩動物ではありません。


犬とは異なる頭骨の形や手のつき方、鋭い爪や歯も見せることで、野生動物であることも訴えています


今回の模型を作るにあたり、最初、犬のようなカワイイ顔になっていたので、骨格・筋肉のつきかた・生態などを説明し、徹底的にリアルにこだわって作り直しました。もちろん、かわいくすべきとの社内意見もあったんですが、そこは担当として曲げませんでした。


ーごめんなさい。実は「リアルで迫力あるけれど、あんまりかわいくないなー」と思っていましたが、"あえて”なんですね?

はい、これでいいんです。「なんで絶滅したのか考えてよ」「また他の動物を同じ目に遭わすなよ」といった怒りや警告のようなメッセージを与えることも目的としているんです。

かわいくしてしまうと、SNSで「カワウソかわいー!」と発信して消化されてしまい、気持ちも記憶も流れていってしまうと思うんです。


楽しい吹き出しパネルを持つ清水さんとニホンカワウソの巨大模型


インパクトのあるフォトスポットとして記念写真を撮ってもらうことで、スマートフォンのフォトストレージにずっと残り続け、見るたびにこの展示を思い出してもらうために、あの顔にしたんです。


ーなるほど。確かに憂いのある顔にも見えますし、「あーかわいかった!」では流せない厳しさも感じます。家族や友達との記念写真として見返すたびに、ニホンカワウソについて、そして捜索隊員の使命を思い出せそうです。
展示を出たところにある弊社運営の併設のショップも、今回の展示に合わせて「カワウソショップ おった」に生まれ変わりました。日本一カワウソグッズが集まっているお店を目指しています。

カワウソの英名otter(オッター)と、ニホンカワウソが居た(方言で"おった”)のダブルミーニングになった良い店名ですよね。1階のミュージアムショップとはまた違いカワウソグッズを揃えているので、お客さまにも喜んでいただけているのではないかと思います。ワークショップも楽しめる "隊員の補給基地” ということで展示の一部として位置付けています。


カワウソグッズのほか、ワークショップやぬいぐるみくじなどが楽しめる「カワウソショップ おった」


ーこれからもカワウソグッズをたくさん補給していただけるよう頑張ります。楽しいお話をありがとうございました。

*****


四国水族館は、3年前にブリーディングローンにより大分マリーンパレス水族館「うみたまご」に移動したコツメカワウソのツバキが、2匹の子供(まめ吉・つね吉)を連れて帰ってきており、カワウソの話題がいっぱいです。


捜索隊員になったからには、コツメカワウソの爪や顔つきにも注目して観察しましょう!

1Fミュージアムショップでもツバキ一家を応援しています!


この夏は四国水族館の「ニホンカワウソ大捜索隊司令部」で隊員になって、四国旅を楽しんでみませんか? もしかするとニホンカワウソを発見するのはあなたかもしれませんよ!



四国水族館とは


瀬戸大橋を望む海沿いに立つ四国水族館


瀬戸大橋のたもと、香川県宇多津町にある水族館です。「四国水景」をテーマに、瀬戸内海や太平洋、四万十川などの清流や湖沼といった水辺の景色を多彩な水槽展示で表現しています。生物展示だけでなく、四国の文化やそこで暮らす人の営みとともにある環境なども取り上げ、水族館全体で6つのゾーンがあり、70の水景に出会うことができます。


上段左から「綿津見の景」「神奈月の景」 下段左から「人鳥(ペンギン)の景」、「海豚プール」、飼育員手書きの黒板アートも見逃せない!


またイルカとトレーナーの息のあった連携が見られる「イルカプレイングタイム」や、飼育員さんの愛情が感じられる「生きもののフィーディングタイム」など、各種イベントも実施されています。

1階ミュージアムショップでは、ぬいぐるみや食品、玩具、日用雑貨など様々な水族館グッズを取り揃えています。




所在地 :〒769-0201 香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁4 (宇多津臨海公園内)

電 話 :0877-49-4590

休館日 :年中無休

営業時間:9:00 - 18:00(最終入館時刻は17:30)

*夏季は延長営業あり。詳しくはHP(https://shikoku-aquarium.jp)をご確認ください。

入館料 :大人(高校生・16歳以上)2,600円、小中学生1,400円、

     幼児(3歳以上)700円+、3歳未満無料

四国水族館ミュージアムショップ(https://shikoku-onlineshop.stores.jp)

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