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青森県立美術館特集その5|これぞレア!雪景色の三内丸山遺跡にも行ってみよう!

更新日:3月28日


青森県立美術館特集 この冬、青森でアートな旅をしませんか?

【目次】

 

こんにちは、広報担当の大関です。 青森県立美術館で開催中の奈良美智氏の個展「奈良美智: The Beginning Place ここから」(特集記事その1)やコレクション展(特集記事その2)を見るために青森旅に出かけるなら、ということで、弘前(特集記事その3)や十和田(特集記事その4)の奈良作品巡りを前回までご紹介してきました。


「奈良美智: The Beginning Place ここから」会期は2月25日までです

「奈良美智: The Beginning Place ここから」会期は2月25日までです

今回は「それほど時間がないし、青森市内で観光したい」という人向けに、世界文化遺産・三内丸山遺跡へのハシゴをオススメしたいと思います。青森県立美術館と遺跡は、実はとっても深い関係があるんです。


遺跡を意識した美術館外観と構造に注目!

青森県立美術館と三内丸山遺跡はおとなり同士。徒歩でも10分ほどで移動できます。青森県立美術館の敷地内にも「近野遺跡」という縄文遺跡が見つかり、美術館建設に伴い発掘が行われています。このあたり一帯に縄文人が住んでいたんですね。


青森県立美術館の設立の際には、こうした立地を背景に「青森県の豊かな芸術風土や縄文のエネルギーを芸術創造の源泉ととらえ、多様性に富んだ芸術の魅力を青森の地から発信する」という美術館コンセプトが据えられ、その外観は発掘現場のトレンチを模して地面を幾何学的に掘り込み、上から白い構造体=ホワイトキューブを被せるという斬新なデザインになりました。


美術館外観。グリーンシーズン(左)とスノーシーズン(右)

美術館外観。グリーンシーズン(左)とスノーシーズン(右)ではまったく趣が違うので、

どっちの季節にも来なくては!という気になります


考古学におけるトレンチとは、遺跡の有無や遺構の分布状況、地下の土の重なり方などを調べるための溝を指します。本格的な調査に入る前にはトレンチ調査をして、どこをどう調査すべきかを決めるために行う重要なものです。遺跡を表現するモチーフはいくつかあると思うのですが、トレンチというマニアックなアイディアは、実に遺跡好きのツボを抑えていると思います。


あおもり犬

実はあのあおもり犬も、トレンチの底部分で今まさに発掘されたかのように、下半身が地中に埋まったままになっています Artwork © Yoshitomo Nara

Photo © Daici Ano


美術館内観

美術館内観


展示室は、凹んだトレンチと上からの凸型のホワイトキューブとの噛み合わせの悪さから生じた隙間という位置付けで、床上わずか15センチに浮いた壁もあります。

また、総数約43万個という手積みのレンガの外壁も見事。レンガはそのまま室内に回り込み、展示室の壁に変化します。

ホワイトキューブのみならず、レンガや土の壁、鉄、ガラスなどのさまざまなマテリアルが融合した展示室は、迷路のように楽しい空間。迷い、彷徨い、発掘しながら展示を楽しむことができるんです。


ミュージアムショップ内観

ミュージアムショップにもぜひ、お立ち寄りください! 

青森県ゆかりのアーティストさんのグッズはもちろんのこと、少しですが縄文グッズも販売しています

美術館建築のおもしろさにも目を留めながら、「奈良美智: The Beginning Place ここから」展やコレクション展を楽しんだら、いよいよ三内丸山遺跡に向かいましょう。雪深くなる季節ですが、この白銀の世界こそ、冬の青森だから楽しめる景色です。


縄文時代にタイムトリップできる世界遺産・三内丸山遺跡

青森の雪深さは世界屈指。年間降雪量は人口10万人以上が暮らす都市の中では世界で一番多く、それなのに人口30万人が住まう都市であることは、実はすごく稀有なことなのだそう。それだけ青森の除雪技術が卓越しており、世界に誇れる自慢ポイントでもあります。


その1でもご紹介しましたが、個展「奈良美智: The Beginning Place ここから」の開催期間が冬なのは、奈良氏の雪景色に対する強い想いがあってのこと。「想像力の源」と語る、何もない白で覆われた世界を体感すれば、作品や展覧会への感動がより鮮烈に記憶に残りそうです。

と言われると、雪の中を歩いて三内丸山遺跡に向かいたくなってきたかもしれません。500mほどの距離ですので徒歩圏内ではありますが、吹雪くと危険ですので天候が悪い時は無理をせず、バスやタクシーを使いましょう。


青森県立美術館から三内丸山遺跡までの歩道の様子

青森県立美術館から三内丸山遺跡までの歩道の様子


三内丸山遺跡正面エントランス

三内丸山遺跡正面エントランス

 

2021年に世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」に登録された三内丸山遺跡は、1992年から始まった調査により、大規模な集落遺跡として注目を集めてきました。

約5,900〜4,200年前の縄文時代前期から中期にかけての遺跡で、竪穴建物、墓、貯蔵穴、掘立柱建物、盛土などの施設や、膨大な量の土器や石器、日本最多の 2000 点を超える土偶などの祭祀遺物、多種多様な動物骨や魚骨、クリやクルミなどの堅果類などが見つかっています。これはそれまでの縄文時代のイメージを覆す発見とされ、縄文人の生業と祭祀・儀礼の多様性を明らかにしました。


三内丸山遺跡全景 出典:JOMON ARCHIVES(青森県教育委員会撮影)

三内丸山遺跡全景 出典:JOMON ARCHIVES(青森県教育委員会撮影)


縄文ポシェット 出典:JOMON ARCHIVES(三内丸山遺跡センター所蔵)

縄文ポシェット 出典:JOMON ARCHIVES(三内丸山遺跡センター所蔵)


出土した土偶 出典:JOMON ARCHIVES(三内丸山遺跡センター所蔵)

遺跡を見学するときは、先にガイダンス施設で予備知識をつけるのがおすすめ。その方が、広大な遺跡エリアを散策する時に、大事なポイントを見逃さずに回ることができます。

ガイダンス施設「縄文時遊館」は、常設展示「さんまるミュージアム」のほか、縄文シアターや整理作業室、収蔵庫、体験工房、ミュージアムショップ、レストラン、売店などがあり、1日過ごせる充実の施設です。

常設展示「さんまるミュージアム」は、特に貴重な遺物をじっくりと見られる「縄文人のこころ」と、縄文ファミリーが案内する「縄文人のくらしをひもとく」からなり、重要文化財約500点を含む約1,700点の出土品と、それらから考えられる当時の暮らしぶりを学ぶことができます。


大型板状土偶(重要文化財)

大型板状土偶(重要文化財)


縄文少年の成長を通して、縄文人がどんな生活を送っていたかが学べます

縄文少年の成長を通して、縄文人がどんな生活を送っていたかが学べます

 

予習が済んだら、時遊トンネルを通って、いざ遺跡へ。

雪のない時は遺跡内を自在に歩くことができますが、冬は除雪された道なりに歩いて行きます。ふと「縄文人も雪かきしていたのかな?」と素朴な疑問が湧き上がります。


2023年2月の三内丸山遺跡の様子

2023年2月の三内丸山遺跡の様子。雪によって、見知った景色が少しずつ嵩増しされている気がしました


遺跡のランドマークである、大型掘立柱建物と大型竪穴建物を目指します。雪が深くなってくると通常の竪穴建物はほぼ雪に覆われてしまいますが、これだけ大きな建物だとどんな天候でも見失わず目標になります。


ようやく大型竪穴建物のそばまで辿り着きました

ようやく大型竪穴建物のそばまで辿り着きました

こういった大型の竪穴建物は集落の中央付近に作られることが多く、集会所・共同作業所・共同住宅などとして使われていたのではないか、と言われています。吹雪に巻かれながら、建物の中に転がり込むと、確かに冬はこうした大型の建物にみんなで一緒に暮らした方が安全安心だなと、身をもって感じました。こういう実体験が、遠い過去へ思いを巡らすきっかけになったりするので、大事だと思います。



しかし、こんな雪の中、縄文人はどうやって生活していたのでしょうか?

三内丸山遺跡センターの永嶋さんにお聞きしました。


<質問1>

縄文時代にもこんなに雪が降ったのでしょうか?

【回答】

はい。当時も現在のように対馬暖流が日本海を流れており、北西からの季節風が暖流から上がる水蒸気を運んだため、約5,900~4,200年前の三内丸山遺跡においても、多くの雪が降ったと考えられています。


<質問2>

数ヶ月も雪に閉ざされていて、どうやって暮らしていたのですか?

【回答】

あまりそうは見えないかもしれませんが、実は竪穴建物は寒冷地に適応した住居スタイルと考えられています。ちゃんと煙が抜けるように屋根に工夫をした竪穴建物の炉で火を焚いて、暖をとっていたのでしょう。今も復元した竪穴建物で火を焚くと、内部はとても暖かです。

食べ物は、魚や動物肉を乾燥したものやその脂、貯えておいた堅果類等の植物質の保存食を食べ、麻の繊維や動物の毛皮で作った衣服を身に纏って、冬を乗り切ったのではないでしょうか?


<質問3>

冬ならではの見どころを教えてください。

【回答】

雪原の中に広がる縄文集落の美しい風景だと思います。冬期には見学の方も少なく、遺跡の独り占め感も楽しめると思います。また、雪が横に舞うような吹雪の時でも復元大型竪穴建物の中は暖かく、縄文人も感じたであろう安心感と、この場所に縄文の冬の暮らしが確かにあったことを実感できると思います。


厳しい環境の中でも賢く、たくましく生きる縄文人の姿が浮かび上がってきますね。


冬と夏の遺跡風景

冬と夏の遺跡風景。どちらかを見たら、もう一方の景色にも出会いたくなっちゃいますよ!

 

学生時代から遺跡をめぐることをライフワークとしており、三内丸山遺跡には両の手で足りないほど来ているのですが、いつも遺跡だけで満足してしまい、青森県立美術館は訪ねたことがありませんでした。

それが、去年初めて美術館を訪問し、こんなにも遺跡を意識してくれていたことに感動を覚え、これは遺跡ファンもハシゴしなければ勿体ないし、逆に美術館を見にきた方も遺跡まで足を伸ばして欲しいと思ったのです。セットで見ると考古学とアートの共通点が見出せて、ますます青森には芸術創造の源泉があることを感じられます。ぜひ、銀世界の静寂の遺跡を楽しんでみてくださいね。


青森県立美術館「奈良美智: The Beginning Place ここから」

会期  :2023年10月14日(土)〜2024年2月25日(日)

休館日 :2/13(火)

開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)

     2/17(土)はナイトミュージアムにつき20:00まで開館(入館は19:30まで)

企画展料金:一般1,500円、高大生1,000円、小中学生無料

青森県立美術館ホームページ|https://www.aomori-museum.jp

青森県立美術館ミュージアムショップ|https://www.aomori-museum.shop

青森県立美術館ミュージアムショップinstagram|https://www.instagram.com/aomorims/


特別史跡・三内丸山遺跡

休館日 :毎月第4月曜日(祝日の場合は翌日)、12/30~1/1

開館時間:9:00〜17:00(GW、6/1〜9/30は〜18:00)*入館は閉館の30分前まで

観覧料 :遺跡を含む常設展の観覧料は一般410円、高大生200円、中学生以下無料

特別史跡・三内丸山遺跡ホームページ|https://sannaimaruyama.pref.aomori.jp


*⻘森県⽴美術館(コレクション展)と三内丸山遺跡(常設展)は相互割引があります。 当⽇有効のチケット半券を提⽰すると、青森県立美術館は一般410円、高大生240円、小中生以下80円、三内丸山遺跡は⼀般330円、⾼⼤⽣160円に割引されます。

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